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優しい口づけ [こぼれ落ちる想い]

 
言葉だけで繋がっている 結び目を

そっとほどいて

優しく結い直す
 
 
20150909_2127665.jpg
 
 
ほどいた瞬間に
 
優しい時間が
 
ふわっと心に広がって
 
やわらかな熱を帯びてゆく
 
 
それはまるで
 
そっと唇に微笑みが口づける……
 
そんな感じ。

 

 

 
☆Photo & words / (C)夏実

 

 

 

 

 

 

 

 


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夢見る頃を過ぎても [こぼれ落ちる想い]

 
想いを伝えることに

まとわりつくような
様々な事柄を

一つ一つ

取り除くように

熱いコーヒーを楽しみながら
ぼんやり考えている。
 
 
PIC000492.JPG
 
  
でも……
 
そんな時間が
 
何だか
愛おしくて。

  

 

 
 
 

 
 

☆photo & words / (C)夏実(ryus_cafe)



 
 
 
 
 
 
 
 
 







  


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欠陥結晶 [こぼれ落ちる想い]

 
時間とともに 
色々な感情や現実が
くっついてきてしまって
 
素直な言葉も
心の中で凍りついてしまう
 
 
goods151-2.jpg
 
 
それを
伝えること自体
とても恐くなる
 
いらないもののようにも思え
  
受け止めさせられた相手を思うと
たまらなく切なくなる
 
伝えたい
伝えたくない
 
自問自答しながら
 
ずっと考えてる
 
大切だ、ということ
 
 
 
 
 
 
 
☆Photo/(C)「NEO HIMEISM
(※このお写真は「NEO HIMEISM」さまよりお借りさせて頂き、
 使用させて頂いております。
 こちらからの無断転載はくれぐれもおやめ下さいませ。)
 
 
☆words / (C)夏実(ryus_cafe)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  
 
 
 
 
 
 
 


 
 
 
 
 
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クリスマスローズ [風流花譚]

 
それは静かに天空から舞い降り続けた。

白く、全てを覆い尽くしてゆくのを眺めていた。
ふと、庭の大きな木の下の片隅に、純白の可憐な花が咲いているのに
気がついた。
私の指差す方向に視線を向けた母は
「ほんとに咲くなんて……。」
と言葉を詰まらせた。
 
 
flower730.jpg
 
 
そう、あれはとても寒い日。

それでも陽射しはキラキラと眩しかった。
いつものように父が庭の手入れをしていた。
色が少なくなった庭は、いつもよりちょっぴり寂しい感じがした。

「お花、少ないね。」
「そりゃ冬はね。……でも、こうしたらどうだい?」
「でも、それお花咲いてない……。」

父は苦笑しながら手を動かしていた。

「まだ小さいからね。でも、これは寒さにとても強い花なんだ。
雪がうっすらと積もった中に咲くこれを見たら、何だかとても幸せな
気持ちになれるはずだよ……きっとね。」
「なんていう花なの?」

父は少しためらうように
「ヘレボラス……」と、言った。
「変わった名前。どんな花が咲くのかしら?」
「ヘレボラスというのは学名で、
ギリシア語で『死に至らしめる食物』という意味があるんだ。」
「え!これ、毒があるの?恐い……」

私は気味悪そうに、大きな木の影に新しく植えられたそれらを見た。
父は小さく首を振った。

「実はこれの毒性はかなり強いんだけどね。
だけど根っこだけだよ。全然心配ないさ。
薔薇にだって刺があるだろう?
あれと同じ。美しいものには……ってやつだよ。
薔薇の花に似ているところから『レンテンローズ』とも
言われてるみたいだね。
パパが若い頃、イギリスに留学していた時に初めて見たんだ。
雪の降る、寒い寒い日に純白の花を咲かせていたんだ。
それはそれは美しくてね。
その白さが妙に目に焼き付いてる……今でもね。
これも純白のやつだと嬉しいんだけどな。」


父は遠くを見るような目をしていた。

あの時……近く視線の先へ行ってしまうことを、父は予感していたのだろうか。 

 

 

 

母がポツリ、と言った。

「あの花の名前、あなた知ってる?」
「植えた時にパパに教えてもらったよ……確かレンテンローズって言ってた。
ヘレボラスが学名だって。」

母は小さく溜め息をついた。

「咲いてから……あなたに言うつもりだったのかしらね。」
「どういうこと?」
「あの花は『クリスマスローズ』って言うのよ。
クリスマスに薔薇に似た花を咲かせるから。
でも日本では冬に咲く品種はとても育てるのが難しいのよ。
本当によく咲いたわ……。
パパからのプレゼントかしらね。」

そして母は私の肩に優しく手を置いて言った。

「パパから聞いた事があるわ……
クリスマスローズは天使からの贈り物なんだって……。」
 
瞬間、パタパタとこぼれ落ちるものを止めることは出来なかった。
いつになったら涙は涸れるんだろうね、パパ。
 

 
雪は深く積もりそうだった。
ても天使は雪の下からその花を探してくれたのだそうだ。
キリストの誕生を祝う少女のために……。
そして、パパは私のために。
 
 
クリスマス……
全ての人が幸せであるようにと、その花は頭を垂れて花開く。
それはまるで祈りを捧げているように。






 

 

☆Photo/(C)「NEO HIMEISM
(※このお写真は「NEO HIMEISM」さまよりお借りさせて頂き、
 使用させて頂いております。
 こちらからの無断転載はくれぐれもおやめ下さいませ。)



 

 

 

☆words / (C)夏実(ryus_cafe)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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燃え尽きて、なお。 [こぼれ落ちる想い]

 
視線が囚われて

 
離れてくれない
 
 
flower657.jpg 
 
 
美しいわけでも
 
何でも無い
 
ただ
 
ただ 消えてゆこうとしているだけなのに。
 
 
無言の感情が 
 
胸を焦がす
 
 
 
 
 
 
 
☆photo/(C)「NEO HIMEISM
(※このお写真は「NEO HIMEISM」さまよりお借りさせて頂き、
 使用させて頂いております。
 こちらからの無断転載はくれぐれもおやめ下さいませ。)
 
 
 
 
 
 
 










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藍に溶けて [こぼれ落ちる想い]

 
紫煙と苦笑が交錯して
肩すくめ合って 
 
褪せた心の色
  
溢れそうになる涙が
まるで
鮮やかさ取り戻すよう
 
 
IMG_3801.jpg 
 
 
知った分だけ
生き方上手になったような気はするけれど
  
心の欠片は
置き去りのまま
 
あの時の
夜空のむこうに
来たはずだけど
 
 
 
 
 
☆photo & words / (C)夏実
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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ただいま、Blue。 [こぼれ落ちる想い]

 
夏の終わりに

たどる時間


IMG_3770.jpg


恐ろしく時間は流れてしまったというのに
 
耳をすませば
 
埋もれてしまっていた想い出に
翼が生える
 
 
 
 
☆photo & words / (C)夏実
 
 
 
 
 
 





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眠れる場所で [こぼれ落ちる想い]

 
静かに
 確実に
  降り積もってゆく時間

想い出が溶けて 滲んで
  おぼろげになってゆくことを
  止めることは出来ないけれど

交わし合う言の葉で
 それを何度もなぞるように
 消えてしまうことの無いように


20140927_1589001.jpg


時間を含んだ
 柔らかな言の葉は
豊かな熱量でもって
心のくぼみを 
 充たしてゆく
  そして
   溢れて

初めて
知るのだ

あらゆる方向に伸びていた
愛のかたちを




☆Photo/(C)夏実










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Pave de chocolat ~恋するチョコレート~ [こぼれ落ちる想い]

 
少し固めに作ったガナッシュ
そっと小さく
四角に切り分けて

甘い甘い石畳

一つ一つ大切に
ほろ苦いココアパウダーで仕上げていった

あなたに続く
道をつくるように

Pave de chocolat
Pave de chocolat

出来上がりのひとかけら
口に放り込んで
広がる甘さに
みるみる頬が熱くなって
キッチンに立ちこめる香りに
いたたまれなくなって
慌てて窓を開けた

滑り込んできた風が
囁きかける

Je t'aime......?

思わず両手で耳を押さえて


5426975326_53ed49f82e_z.jpg


小さな箱にチョコレートを敷き詰めて
シンプルなラッピングに
さり気なさを精一杯に装って

駆け出したくなるような気持ち押さえて
その気持ちに
リボンをかけて

ドキドキを身につけて
出かけよう

美しいヒールの靴を選んで
一番素敵に見えるワンピースを選んで
魅惑的なルージュの色を選んで
心泡立つ香りを選んで

全てを薔薇色に染めて

あなたへ続く道
細いヒールの音 響かせて

Pave de chocolat
Pave de chocolat










☆Photo/(C)Free.Stocker
(※このお写真はFree.Stockerさまよりお借りさせて頂き、
 使用させて頂いております。
 こちらからの無断転載はくれぐれもおやめ下さいませ。)






















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遠く、サイレンの音が聴こえて。 [こぼれ落ちる想い]


遠く、サイレンの音が聴こえて

重なるように
十時を知らせるドヴォルザーク
夜の帳を
はためかせる


mizutama45.jpg


息吹き返すように脈打ちだす記憶
香りまで
その
温度まで
立ち昇らせて

一体どこまで還って来れたというのだろう

幼き頃の
無意識のハミングに導かれるように 
こぼれ落ちていた旋律

まるで呪文 炙り出される
狂おしいほどの 切なさみたいなモノ
絡みつくように 這い上がってくる
焦がすように
滲むように
広がってゆく軌跡

生きてきて 生まれてきた
数えきれないほどの
ちょっとした想いの切れ端
何でも無いことのはずが
時間を含んで
たまらない感情をはらませて

ああ、もうこんな時間。と
いつも小さく歌いながら
窓の外 夜空を眺めていた


遠く、遠く
サイレンの音が聴こえたような気がして

ドヴォルザークの旋律が
若かった父の口笛を蘇らせもして
なぞるように
そっとハミング続けて









☆Photo/(C)MIZUTAMA
(※このお写真はMIZUTAMAさまよりお借りさせて頂き、使用させて頂いております。
 こちらからの無断転載はくれぐれもおやめ下さいませ。)
























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