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温かな記憶 [詩集]

         
ピタリと 重なりあった
時計の針が
少しずつ ずれ始めて

新しい一年が始まったことを
「行こうか」と
父の声が 知らせて

深夜の初詣


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父のコートの袖を キュッと握りしめて
暗闇に紛れてしまわないように
一生懸命
白く吐く息 弾ませて
伝わる温もりに ぶら下がりながら

見上げた空
大木たちの影 黒々と
澄み切った夜空を 切り取るように

ザワワと 枝がしなり
思わず 首をすくめた

枯葉と砂利が
靴の下で 乾いた音をたてた

境内から 流れてくる
箏と笛の調べが 
凍てつく空気を 装うようで

幼き記憶 鮮やかに



 アナタのコートの腕に 触れた時
  フンワリと舞い降りた
   その笑顔とともに



※詩集『Blue Doors〜ココニ、イル』より転載。


☆photo/(C)Kazuko
(このお写真はKazukoさまよりお借りし、使用させていただいております。)





※先日、私の詩集『Blue Doors〜ココニ、イル』を読んで下さった方から、
ありがたくも『温かな記憶』が良かったという言の葉をいただきました。

記念に、作品の内容が時期的には少しずれてしまいますけれど、
こちらにそっとUPさせていただくことに致しました。








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